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本質系ゆとり世代のブログです。「15才の時の私」に知ってほしいことを書いてます。

【要約・あらすじ】Dignity/ドナ・ヒックス「尊厳の人生と人間関係における役割とは」

ハーバード大学心理学教授ドナ・ヒックス氏の『Dignity』が日本で出版されましたので、【要約・あらすじ】を書いていきたいと思います。

 

Dignity

Dignity

 

ドナ・ヒックス氏について

彼女はハーバード大学心理学教授であり、紛争解決のスペシャリストでもあります。20年以上に渡って紛争の最前線で、対立関係のある共同体間の対話のファシリテーターを務めておられます。

 

その中でDignityと、Dignityが関係性の中で果たす役割について、はじめて言語体系化され、この本の中ではそのエッセンスが書かれています。

 

それらを活用して、世界中でDignityを活用した対立解消法を学ぶコースの教鞭に立たれ、Dignityの役割やリーダーシップに関するトレーニングやセミナーを展開されており、本書ではDeita Kappa Gamma Societyの2012年教育者賞を受賞されたそうです。

 

要約(中心メッセージ)

この本はドナ氏が、20年に渡って世界中の紛争・対立の現場に立ち会ってきた経験に基づいて構築された『Dignityモデル』を中心に紹介する内容になっています。

 

『Dignityモデル』とは、人生と人間関係の中で、尊厳(Dignity)が果たしている役割を誰もが理解できるように開発されたアプローチ方法です。

 

『Dignityモデル』の中心メッセージとは「自分、そして他者というかけがえのない存在に対して関心を向け、大切に思う気持ちを表現し、実践すること。」です。これが第一の、唯一の原則です。

 

反アパルトヘイト・人権活動家として知られ、1984年に南アフリカ人として2人目のノーベル平和賞を受賞されたデズモンド・ツツ名誉大司祭からのメッセージを紹介します。

 

デズモンド・ムピロ・ツツ - Wikipedia

すべての人間が生まれながらにして持つ絶対的な権利である「尊厳(Dignity)」の概念を掲げ、それを誰もが理解できる形で一冊の本にした彼女の偉業を讃えて、ここに祝辞を贈ります。

■2020年 幻冬舎『Dignity』ドナ・ヒックスP8

 

この本は、尊厳(Dignity)を理解するための簡易マニュアルではなく、たくさんの提言と挑戦に富み、健全な関係性を育めるようになるための明確なガイドラインが記された本です。 

■2020年 幻冬舎『Dignity』ドナ・ヒックスP10

私もそのその通りだと思います。彼女の表現する『尊厳(Dignity)』というレンズと通して様々な現象を観たときに、今まで理解できなかった多くのことに納得することができました。

 

この本は『自分の人生と人間関係の質を向上させることに関心のあるすべての人にとって』とても有用なガイドラインになると言えます。

あらすじ

まえがき・はじめに

ここでは彼女が「Dignityモデル」を整理するに至った背景、「Dignityモデル」の全体像、なぜこれまで「Dignity」が忘れ去られてきたのか、などを共有してくれています。

 

これは本書全てに言えることですが、この段階で驚くことは「Dignityモデル」を開発するに至って、すべての「Dignity」と真摯に向き合い続けてきた彼女の圧倒時な姿勢です。

 

尊厳と尊敬はどう違うのか、カントの表現する尊厳、マンデラが実践した尊厳、ミラーニューロン、闘争・逃走本能、自衛本能、ダニエル・ゴールマン、動物行動学・・・・

 

これらの数多くの人間の本質に対する研究結果と、彼女の余りある経験をひとつひとつ照らし合わせ、「人間の苦しみの根源・対立の根源をどのようにしたら解決できるのか」に対して徹底的に向き合ったからこそ、本書のような素晴らしい内容が関係したと思います。

 

この「まえがき・はじめに」だけでも、ドナ・ヒックスの幅広い見識と、彼女の確信に圧倒されるでしょう。

第一部

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上記の各項目について説明してくれています。それぞれについて説明すると長くなってしまうので割愛します。

 

説明の仕方としては、ドナ氏の実体験を共有しながら、それらを各分野の研究結果なども用いながら、読者がしっかり自分とつながってその概念を理解できるように努めてくれています。ここまで丁寧に「読者に理解してほしい」という想いで書かれている本は少ないと思います。

 

第二部

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 ここも第一部と同じような感じです。もしかしたらこっちの方が多くの人は自分と繋がりやすいかもしれません。人間の反射的行動・本能に言及しているパートで、「我々が乗り越えるべき課題」という位置づけかと思います。

 

このパートを理解することで、より自分・相手・人間のに対する理解がとても深まると思います。

第三部

 ここではさらに、第一部・第二部を超えて「尊厳によってどのように関係性を癒やすのか」について言及してくれています。ただこのパートは、第一部・第二部に比べて割かれている量は少ないです。

 

もしかしたらまだ著者自身が、このパートは開発途中なのかもしれません。これはたぶんもっと社会全体が「Dignity」に対して関心を持った時に、どんどんと開発されていくパートかなぁ、と思いました。

感想

総じてとても素晴らしい作品であると思います。

 

今まであまり言及されてこなかった「Dignity」という概念によって、人類史・人間の本質 を解き明かそうとする著者の挑戦はとても偉大なものであると思いましたし、実際にとても素晴らしい整理でした。

 

デズモント・ツツ氏も述べているように、この本を書き上げることでドナ氏は「とても大きな仕事を成し遂げた」と言えると思います。

 

「なぜ人は争い合うのか」

「なぜ人は幸福を手に入れられないのか」

「なぜ人は喜びを享受し合えないのか」

・・・・・・

 

人生と人間関係において、疑問や課題を抱えている方にはぜひ一読してほしい本です。「Dignity」という概念によってあらゆる現象を整理することで、とても大きな発見があると思います。

 

Dignity

Dignity

 

 

 

終わりに

いかがでしたでしょうか?

 

私自身、幼少期から「人間」というものが捉えられず・理解しきれずとても苦しんできたこともあり、この「Dignity」という概念のおかげで色々な気付きを得ることができました。

 

人間は常に概念の開発によって進化してきましたが、この「Dinigy」の概念を言語化・体系化したドナ氏の功績は今後の人類史にとっても大きなターニングポイントになると思いました。

 

ドナ氏はアメリカですが、私は日本で「尊厳」を体系化した方との出会いが数年前にあり、そこから大きく人間に対する理解が深まりました。ぜひ皆さんも新たな概念との出会いを果たして、より人間に対する理解を深め、よりよい人生を送って下さい!

 

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